Web杜のたより第22号(2012.1) 

                    学校の管理下における転落事故の防止について


 最近学校の管理下における、転落事故により重災害につながるケースが見受けられます。仙台支所では、医療費請求の中でも重災害につながる可能性がある転落事故について、積極的に災害共済給付請求に係る実地調査(以下、「実地調査」といいます。)を行っております。今回は事故後の学校の取組みなどを取材し、転落事故の防止につながる情報として、実地調査後の状況と併せて事例を紹介します。



1 災害発生の状況 【中学1年生男子】
休憩時間中に友達と鬼ごっこをしていて、鬼から逃げるため友達とトイレの窓から外の足場(幅26㎝)に出て、友達と重なるように壁に向かって隠れて立っていたときに、鬼がトイレに入ってきた途端に、驚いて手を離してしまい、3階のトイレの窓の足場から約8m下の地面に被災生徒だけ誤って落下してしまいました。



 2 けがの状況
被災生徒は、着地した時に手と顔を強打(下顎部裂創・左手関節部打撲傷・左右上前歯歯牙破折)しましたが、幸いにも命に別条はなく災害発生から4か月後に調査を実施した時には元気に学校生活を送っていました。



 3 事故後の学校の取組み  
本人のみならず、一緒に遊んでいた生徒への指導を行い、命の尊さを自覚させました。生徒本人と保護者を学校に召喚し、学校長、副校長、生徒指導部長、学年長、学級担任とで反省会を行いました。さらに、臨時学年集会を開催し、教師から災害発生の経緯説明、生活・行動面の指導を学年生徒全員に行いました。また、全校朝会でも健康で安全な生活が送ることができる力を身につけなければならない等を訴えました。転落事故の詳細と今後の指導内容について、全ての保護者に文書で報告し理解と協力を求めました。
今後の転落事故防止対策として、トイレは、換気の必要があるため、窓を開けて新鮮な空気と入れ換えることから、ストッパー等を装着し開口巾を制限する、注意喚起のため手すりを装着する、また、ポスター等で注意喚起をするなど、現在設置者と学校が検討しているそうです。



 4 実地調査を終えて
3階のトイレの窓から下を覗いて見ると、8m以上の高さがあり本当に大事に至らず良かったなと感じました。やはり、災害発生の状況は書類だけでは、不明な部分もあり「百聞は一見にしかず」ではありませんが、実際に発生場所を観察することによって、事故の全体像を把握することができました。
児童・生徒は、衝動的な行動をしてしまう可能性があり、日頃の安全指導を通して、危険に対する予測や判断、危険回避などの対処能力を身につけることが、今後の事故防止につながります。今後も、危険な転落事故については、実地調査に赴き、事故防止につながる情報を提供できればと考えております。



転落事故現場全体風景

 

転落事故現場全体風景の写真